最近はちょびっとおやすみ取れるようになりました。その時間を使って、自分にできるコトを…


by cookie_mel
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たまにはまじめな話?②

医師になってとりあえず、5月から即戦力(?)として大学病院の病棟にデビューした。デビューといっても新米も新米。テストに合格したばかりで医師としての一般知識はあるものの、点滴の刺し方も薬の名前も全く知らない(医学部では教えてくれない。教えてたら6年じゃ卒業できないし)。とりあえず、先輩医師に勝てるものは若さくらいで剣道部で体を鍛えていてよかったと本気で思ったものだ。

私の最初に所属した外科のグループは5人班で班長(オーベン)、副班長(ネーベン)、班員(ウンテン)x2、私(フレッシュマン)で構成されていた。私が所属した外科は比較的女医の多い科なので女性の医師に対する対応は慣れていた。つまりは男性医師と変わらずに扱ってくれるということ。だから、力仕事も書き仕事も手術の用意も普通にやる。当たり前のことだと思うけれど、どうも世の中はそうじゃないらしい。着替えも最初のうちは一緒の部屋しか教えてくれなかった(というか無給助手にはロッカーなどない)ので、病棟にある医師の休憩室で朝一緒に着替えていた。一応、気を使って私はキャミソールを着て行っていたが。おまけに一緒に着替える同僚も気にせず着替えていた。ある日、別のグループのオーベン(私の憧れの外科医でもある)が着替え中に入ってきてビックリして「ごめん、ごめん」と出て行ってしまった。「えー、いつもここで着替えてるのに〜」と説明したら「ダメダメ」と言われ、仕方なく医局秘書のおばちゃんとやり合ってロッカーと着替えの場所をゲットした(最初はありません、とムゲに断られた)。やり合ったおかげか、この後、この秘書おばあちゃんとは非常に仲良くなった。

とにかく、まず教えられたのは点滴の入れ方だった。消化器外科は手術のため、腸閉塞のため、腸の炎症のため、いろいろな理由でご飯を食べちゃいけない人が多い。だから、まず点滴を入れられるようにならなきゃいかん。まずは患者さんの前に同級生と同期の新人看護婦さん同士で練習。その後に患者さん。大学病院の看護婦は点滴を刺す行為をしないのですべての消化器外科の患者さんが対象になる。しかし、そう簡単には点滴は入らない。なにしろ、吐いて吐いて脱水の人や手術後で食べれない人の血管は細くて弾力性に乏しい。おまけに年齢が上だと血管自体がもろくて刺した途端に内出血してしまう。先輩は自分が刺した方がよほど早く仕事が終わるのだけれど私のために「点滴入れてこい!」と送り出す。入らない私は点滴を刺しに行くのが非常に気が重い。だって実際針刺したら痛いの分かるし。3回までが私の持ち分。3回刺して点滴が入らなければ先輩に手を代わってもらう。一発で入るようになるまで結構時間がかかった。その間、先輩に針の持ち方やら(微妙に角度が違う)、駆血帯(腕を縛るゴムのこと)の縛り方の違いやらを何度も教わったなぁ。最後の頃には患者さんが「先生、○○先生はもっときつく縛ってたよ」と教えてくれてそのおかげで血管が浮き出て点滴が入ったりしてコツを習得したような。患者さんに教えてもらうことが多い(今でもですが)毎日が始まりました。

このためか、電車やバスや職場で血管の浮き出た健康的な腕を観ると「いい血管してるなぁ」と本気でほれぼれ観てしまうことがあります。
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by cookie_mel | 2007-01-29 23:44 | cookieのぼやき